学習塾
大手フランチャイズから個人経営まで多様化が進む学習塾の現状を紹介します。
有名塾に通う必要性を考える
ご存じの通り、学習塾とは、放課後に学習サポートを行う施設で、もともとは有名学校への受験対策として発達してきました。現在では、受験対策を重視した塾を「進学塾」、学校の授業を復習して理解を深め、さらに授業の予習を行う「補習系の塾」に大きく分かれています。
全国的によく名前が知られている大手の塾は、たいていの場合進学塾です。中学受験なら「日能研」「四谷大塚」「SAPIX」、高校受験では「市進学院」や「早稲田アカデミー」などが有名です。
受験を特に意識していない場合も、学力アップを期待して、有名進学塾への入塾を検討するご家族の方が多く、ネットの教育関連サイトでもその類の相談をよく見かけます。
進学塾の場合、学力によるクラス分けなどで、成績の良い生徒さんが選り分けられます。
ハイレベルクラスでは実績のある講師の授業が受けられますが、選別から外れた生徒さんたちには、経験の浅いアルバイト講師がつくケースが多いようです。
授業自体は楽しいらしく、子供たちは喜んで通うのですが、肝心の成績はあまり伸びない、という保護者の方の嘆きを頻繁に耳にします。
これは進学塾経験者としての個人的な見解ですが、難関学校への入学を希望しない場合、無理して進学塾に入る必要はなく、地域密着型の補習系の塾や、生徒ごとに学習法を考えてくれる家庭教師を選んだ方が良いのではないかと思います。
学習塾に通わせている親の見解
- 有名校への進学実績がある塾で教材も良く、自然に子供の実力も上がっていると思う。
- 熱心に教えてくれる先生が多く、凝縮して要点を教えてくれるので信頼している。
- 時に雑談を交え、緩急をつけながら教えてくれるので、学校より授業が楽しい様子。
- クラスメイトと同じ塾に通えて子供は嬉しそうだが、成績についてはさほど変わりがない。
- 講義をただ聴くだけで勉強した気になっているらしく、自主的に勉強している気配がない。
少子化の影響による業態変化
ここ最近は、10名以上の生徒に講義を行う集団授業より、自習形式や少人数で授業を行う塾が増加しています。そして、多くの生徒を一度に教えられる実力のある講師の個人塾を大手塾が買収し、小規模塾としてフランチャイズ化する傾向があります。
フランチャイズ塾では、一定のマニュアルがあり、指定教材を使ってアルバイトに授業を行わせる形式で、少人数単位で教えていきます。つまりプロフェッショナルな講師は不要というわけです。
また、経営者は教育の専門家である必要がなく、まったく違う畑出身の起業家が運営するケースも激増しているようです。
これまで「クラスメイトが通っているから」、あるいは「有名だから」という理由で学習塾を選んでいた方も、今後は、お子様にとって本当に必要な学習機会をシビアに選ぶ必要がありそうです。